中国外務省が、日本の尖閣諸島を「中国の核心的利益だ」と初めて正式に言明しました(※)。
中国の言う「核心的利益」とは、中国の領土領海であり、分離独立が許されない領域のことであり、その確保のためには軍事行動も辞さないとするものです。
中国は「核心的利益」という言葉を、チベットや台湾に対して使用し、米国などの干渉を拒む姿勢を示してきました。
従来、中国政府は、日本の尖閣諸島に対しては、この「核心的利益」という言葉を明確には適用してきませんでしたが、ここに来てついに適用し始めたようです。
中国が「核心的利益」という言葉を適用してきたチベットは、もともとは独立国で、1950年に中国軍が武力侵攻し、翌年に事実上の支配下に置いたものです。
台湾についても、歴史上、中国本土の為政者が実効支配した事実は無いとも言われているものです。
中国政府が、一方的に「核心的利益」と宣言すれば、「軍事行動も辞さない」と威嚇することと同義とも言えます。
明らかに、自国の勢力圏を拡大する覇権的な性格が表れています。
近い将来、中国は、沖縄県をも「中国の核心的利益だ」と言い始めることは想像に難くありません。
歴代の日本政府のような弱腰外交では、隣国の軍事的脅威と対峙し、国民の生命、安全、財産を守り抜くことはできないのではないでしょうか。
備えを怠らないことが最大の抑止力となります。
日本としては、国防強化を急がなければなりません。
※:4月26日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130426-OYT1T01255.htm