私たちの地元神戸市の川崎重工業と、三井造船が経営統合を検討している各紙で報じられました。
両社はホームページ上でひとまずこれを否定しましたが、韓国や中国の躍進で低迷が続く国内の造船業界を考えると、あり得る話ではないでしょうか。
しかし、日本の造船業界にとって、逆風ばかりではありません。
消極的には、最近の円安が輸出に有利に働くでしょうし、積極的な見方としては、海底でのメタンハイドレートやレアアース鉱床の発見など、今後、日本周辺で海洋資源開発が加速していく可能性が大いにあります。
日本周辺での海洋資源開発は、日本の安全保障とも密接に関係しているため、政府とともに高い技術力を持った国内の企業が主導していく必要があります。
また、安全保障分野では、急速な軍備拡張とともに海洋進出を進める中国と、巨額な財政赤字により軍備削減を迫られ中国寄りの姿勢を強める米国という状況の中で、日本は今後、自主防衛力を高めざるを得ません。
政府は既に潜水艦の増強を決めていますが、抑止力を高めるためには、自衛隊の艦船を一層増強する必要があります。
場合によっては、本格的な航空母艦を自衛隊が保有することも検討する必要が出てくるかもしれません。
その他、日本は省エネ船の建造でも高い技術力を持っています。
日本の造船分野は高い技術力を生かして、今後も世界をリードしていくことができると考えます。
※:4月22日付神戸新聞http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201304/0005921050.shtml