安倍首相が前向きな姿勢を見せる地方分権ですが、私たち幸福実現党としては、地域主権を進めると国防面で極めて危険となるため反対です。
地域主権のイメージとして昔の日本の幕藩体制を思い浮かべることができます。
幕末に、アジア諸国が次々と欧米列強の植民地と化す中で、幕藩体制では欧米列強の侵略に抵抗できないため、中央集権型の明治政府を創ったのです。
その意味で、日本維新の会は、「維新」を名乗るのならば、目指す方向が逆ではないでしょうか。
現在の日本は、経済規模で日本を抜き去り、急速な軍拡を続ける中国の脅威にさらされている現実があります。
道州制により、地方の利害で国の外交・安全保障政策が左右されては、国を守ることができません。
それどころか、例えば、外国人参政権を認めるなどして、沖縄州が中国と関係を強め、北海道がロシアと関係を強め、といった具合に日本解体へと繋がる恐れさえあります。
中国は日本が道州制を導入することを望んでいることでしょう。
地域主権や地方分権といった美名に騙されてはなりません。
日本は、世界的に見ても狭い国土に多くの国民が住んでいます。
この高い人口密度を生かすためにも、リニア新幹線網などの先進交通インフラを整備し、むしろ国家としての一体性を高めることが、日本の国力を高めることに繋がります。
4月22日に行われた全国知事会でも、与党が進める道州制の導入に対し各知事の間で賛否が分かれているようです(※)。
知事会という性格上、国防という観点はあまりないようですが、巨額な財政赤字を抱える大阪府と州を形成することにより、大阪による兵庫の富の収奪に繋がらないのかという議論も必要でしょう。
※:4月23日付神戸新聞http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201304/0005922364.shtml