最近、北朝鮮が、核戦争の危機を演出して米国への威嚇を強めていることは周知の通りです。
北朝鮮は3月31日に、米軍基地がある三沢、横須賀、沖縄、グアムの地名をあげて「我々の射撃圏にある」と威嚇しています。
また、4月4日には、北朝鮮が発射実験を過去に行ったことのない新型中距離弾道ミサイルとみられる物体を、発射台のある日本海側に移動させたとの報道があります。
こうした危機の演出は、体制の引き締めを図るとともに、米国から譲歩を引き出して金正恩体制になってからの目に見える形での成果を得たい思惑が感じられます。
そうした観点では、いつもの北朝鮮による瀬戸際外交の一環に過ぎないとも言えますが、北朝鮮が暴発することも捨てきれません。
北朝鮮は、日本を射程に収める中距離弾道ミサイル数百基を既に実践配備済みとの観測があります。
米国は、こうした脅威に対処するため、グアムに地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を配備すると発表しました(※)。
一方で、日本には、海上のイージス艦に装備されたSM3や、落下してくる弾道ミサイルを低高度で迎撃する地上配備型のPAC3がありますが、米軍のような地上配備型の高高度迎撃ミサイルはありません。
弾道ミサイルの迎撃システムは如何に高性能であっても、命中率は100%ではないうえに、数が限られています。
従って日本は、北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃する手段を増やす必要があります。
更には、やはり抑止力として敵地先制攻撃能力の保有を真剣に議論すべき時に来ているのではないでしょうか。
国民の生命・安全・財産を守るために。
※:4月4日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/130404/amr13040410530007-n1.htm