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2013/03/30【ロシアの軍事技術の中国への流出が懸念される】

中国国営中央テレビは、3月22日から24日に行われた中国の習近平国家主席によるロシア訪問で、中国がロシアから最新鋭の潜水艦4隻と戦闘機24機を購入する契約を結んだと伝えました(※1)。

一方で、ロシアのタス通信によると、ロシアの消息筋がこの購入契約に関する報道を否定したとのことです(※2)。

この報道の真意のほどは不明ですが、ロシアとの軍事協力関係をアピールしたい中国の思惑と、中国とは必要以上に軍事協力関係を持っていると思われたくないロシアの思惑が感じられます。

いずれにせよ、この購入契約が事実だとすると日本の安全保障にとって少なからず脅威となります。

契約したとされる潜水艦は、ラーダ級と言われる最新鋭のもので、原子力推進ではありませんが、潜航時の静粛性が高く探知が困難とされています。

2004年に中国海軍の中国製の潜水艦が、潜航したまま日本の領海を侵犯するという前代未聞の事件を起こしましたが、この時は、海上自衛隊が当該の潜水艦の行動をほぼ全て把握していたとされます。

探知が困難なラーダ級が配備されれば、日本のシーレーン防衛にとって脅威となるでしょう。

また、契約したとされる戦闘機は、Su-35と言われる最新鋭のもので、那覇基地にも配備されている現在の航空自衛隊の主力戦闘機であるF-15よりも能力が高いとされています。

実際、インド空軍がロシアから購入した同種の機体と、米空軍のF-15が模擬空戦をした結果、F-15が完敗したとの情報もあります。

更に、中国が購入するとされるこうした兵器は、購入した兵器そのものが脅威となるとともに、それらをコピーし中国国内で量産し、自国で開発する兵器に応用することが懸念されます。

こうした懸念は、ロシア側も十分わかっているはずであり、過去の中国への兵器輸出で何度も煮え湯を飲まされたと思いますが、やはり背に腹は代えられないのでしょうか。

ロシアが中国へ兵器を輸出することは、米国や日本への牽制に繋がりますが、中長期的にはロシア自身の安全保障に脅威となることは明白です。

ロシアが中国への軍事技術の無制限な流出を許容しているはずはないと思いますが、こうした動きには警戒が必要です。

同時に、日本はロシアを中国包囲網に組み入れる外交戦略を推し進めていくべきだと考えます。

※1:3月25日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130325-OYT1T01154.htm

※2:同http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130325-OYT1T01719.htm?from=popin