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2013/03/22【自由主義経済の原則を曲げてまで消費税増税を行うのか】

国土交通省が公表した今年1月1日時点の公示地価は全国平均で、住宅地1.6%、商業地2.1%の下落でしたが、下落率は3年連続で縮小し、地価に底入れの兆しが出てきました(※1)。

これは、アベノミクスへの期待からと見られ、不動産市場への資金流入が背景にあるようです。

地価の上昇は、円安と株価の上昇と並んで、日本経済全体の浮揚に繋がると期待されます。

一方で、消費税が、来年4月に8%に、翌2015年10月に10%に増税される予定になっています。

政府は、景気が回復しなければ増税を行わないとしていますが、増税は間違いなく景気を減速させるため、インフレ目標を達成し景気が回復したとしても、増税は行うべきではありません。

小売業の中には、消費税増税の対策として、消費税増税分の「還元セール」や「ポイント還元」などを検討しているところがあります。

しかし、政府自民党は、消費税増税の特別措置法案で、これらの消費税還元セールを禁止する内容を盛り込んでいます(※2)。

仕入元が、商品を納める立場の弱い中小業者に、消費税増税分を値引きして納めさせることを防ぐ意図があるようですが、中小企業への選挙対策の意味合いも見え隠れします

増税すれば、消費にブレーキが掛かるのは明らかですから、少しでも消費者心理に働きかけようとする企業努力に、政府が縛りを設けることに疑問を感じます。

そもそもは、増税をやめればいいわけなので、こうした民間の経済活動に政府が介入を強めることは、自由主義経済の原則から逸脱し、国家社会主義に繋がりかねません

政府がこうした小細工をしたとしても、消費税増税のシワ寄せは、どのみち、中小企業や消費者にきてしまいます。今

からでも遅くはありません。消費税増税の廃止を求めてまいりましょう。

※1:3月21日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130321-OYT1T00982.htm

※2:3月12日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130312/fnc13031221200018-n1.htm