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2013/03/20【食糧安全保障を憂慮するなら同じくエネルギー安全保障も】

TPPへの参加に反対する理由として、安い外国産の農作物が大量に流入し日本の食糧自給率を低下させ食糧安全保障を脅かす、という声があります。

確かに、食糧安全保障は大切です。

しかし、現状でも日本の食糧自給率は向上していないので、やはりTPPへの参加を契機に、農業を成長産業にするために抜本改革を行い、大規模化などにより食糧自給率の向上を図っていくべきではないでしょうか。

ここで、食糧安全保障を憂慮するのであれば、同じくエネルギー安全保障も憂慮する必要があるのではないでしょうか。

食糧はがなければ人間は生きていくことができません。

同じくエネルギーがなければ人間は生きていくことはできません。

しかし、ほとんどの原発が停止している現在では、電力の約9割を化石燃料による火力発電に依存しています。

そして、その化石燃料はほぼ全てを海外からの輸入に頼っており、エネルギー安全保障の面からは、日本は極めて脆弱な状態です。

再生可能エネルギーに期待が集まっていますが、水力発電はほぼ飽和状態ですし、太陽光や風力にしても、原発の代替えになるほどの発電量は到底見込めません。

もちろん、先ごろ日本近海の海底から試掘に成功したメタンハイドレートなどの新たなエネルギーの開発は進めるべきです。

しかし、その前に安全性を確認できた原発は速やかに再稼動すべきではないでしょうか。

資源の乏しい日本にとって原発は極めて有益です。

原発が再稼働できないことにより、化石燃料などを海外から輸入するコストは年3兆円増加しているとも言われます。

3兆円もあれば、消費税増税など必要なくなります。

感情的な要素も多分にある原発の再稼動問題ですが、原発が再稼働できないことによる弊害が如何に大きいか、改めて冷静に考える必要があるのではないでしょうか。