中国の2008年~2012年の兵器輸出量が、2003年~2007年比べ2.6倍に増加し、米露独仏に次いで初めて世界5位になったとのことです(※)。
この分野でも中国の存在感は大きくなっていると言えます。
もともと武器取引量は不透明な部分があるのですが、中国による取引も例外ではないようです。
例えば、アフガニスタンのタリバンやイラクの武装組織が、中国製の携帯式地対空ミサイルを使用していることが確認されています。
また、米国との関係強化に動いているミャンマーでは、政府に敵対する武装組織に、中国が同様のミサイルや車両を提供した模様です。
更には、ニューヨークタイムズ紙などによると、中国製の地対空ミサイル10基を積んだイラン船がイエメン沿岸で拿捕され、イエメンの武装組織に届ける予定だったと見られているとのことです。
携帯式地対空ミサイルは、アフガニスタン戦争でも米国がゲリラ側に供与し、当時のソ連軍を苦しめたことからも分かるように、敵対する組織に立ってはたいへん脅威となる兵器です。
また、携帯式地対空ミサイルは、操作が比較的簡単な上に、軍用機ばかりではなく民間機に対しても攻撃できるため、テロ組織に渡れば旅客機を狙ったテロが懸念されます。
中国が過激派や武装組織に兵器を提供するのは、米国への揺さぶりの意味合いが強いものです。
安価な中国製の兵器が出回ることは、地域紛争が泥沼化する要因の一つになっている可能性もあります。
国際社会は、中国のこうした兵器取引を厳しく監視する必要があるのではないでしょうか。
※:3月18日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/130318/chn13031809040005-n1.htm