北朝鮮のウェブサイトが、2月9日、「米国と敵対勢力が、(北朝鮮が)3回目の核実験を行うと早合点し」などとする記事を掲載しました(※1)。
この記事から、北朝鮮は日米韓などが懸念している3回目の核実験を、行わない可能性をほのめかしているとも言えます。
北朝鮮は、対米交渉のカードとして使用するため、何としても長距離弾ミサイルに搭載可能な核弾頭を保有したいと考えているので、この記事は北朝鮮によるいつもの陽動作戦とも取れます。
また、中国は、表向きには北朝鮮による核実験の実施に反対の姿勢を示しているので、今回の記事は中国の意向を北朝鮮が汲んだとも見ることができますが、裏では中国軍と北朝鮮が繋がっていると見て間違いないでしょう。
更に、11日にはパキスタンが、核弾頭を搭載可能な短距離弾道ミサイルの発射実験に成功したと発表しました(※2)。
パキスタンは、予てから核弾頭や弾道ミサイルなどの技術で北朝鮮と協力関係にあるとの指摘があります。
こうした中、米国のオバマ大統領は、12日に行う一般教書演説で、配備戦略核弾頭の大幅な追加削減方針を表明すると伝えられています(※3)。
財政赤字の削減に繋げたい思惑の他に、「核兵器なき世界」を掲げてノーベル平和賞を受賞しておきながら、さしたる成果を出せなかったことへの批判をかわす目的があるのかもしれません。
米国の核戦力の縮退は、北朝鮮の核開発の価値を上げると同時に、数では米国に大幅に劣っているとされる中国の核戦力を相対的に向上させることに繋がります。
つまり、米国の核の優位性が薄れ、世界的にパワーバランスが変化することを意味します。
これは日本の安全保障にとっても重大な問題です。
中国は、核戦力の削減に毛頭応じる気はないでしょうから、日本の平和を守るためには、いよいよ核武装も議論していくべき時が来たのではないでしょうか。
※1:2月10日付NHKニュースhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20130210/k10015420561000.html
※2:2月11日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/130211/asi13021119000006-n1.htm
※3:同http://sankei.jp.msn.com/world/news/130211/amr13021118560006-n1.htm