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2013/01/29【日本の金融緩和に懸念を示す各国の主張は筋違い】

安倍首相が主張するアベノミクスの影響などで、昨年末から円安傾向となっており、1月28日の東京外国為替市場の円相場終値は1ドル90円70銭台となっています。

円高は、日本経済の強さを示すものであり、円が世界通貨となり得る可能性も秘めているので、必ずしも悪いこととは思いませんが、今回の円安は、輸出企業に悪影響をもたらした最近の急激な円高傾向が、修正局面にあると捉えれば納得がいきます。

こうした円安は、通貨戦争の懸念を示す声が聞かれるなど、輸出が大きな割合を占める他の国にとってみれば、警戒感をもって受けとめられています。

24日には、ドイツのメルケル首相が、日本の金融緩和政策を牽制していますし(※)、韓国も日本を批判しています。

しかし、長期の日本経済の低迷を招いてきたデフレの深刻さを考えれば、必要に応じて自国経済を刺激するための政策を取ることは当然の権利であり、批判される筋合いのものではありません。

そもそも、世界各国は、金融緩和に消極的な日本を尻目に、今まで大幅な金融緩和を行ってきたのです。

しかも、その批判の背景が、自国の輸出競争力が落ちかねないという不安にあるならば、少し近視眼すぎるのではないでしょうか。

なぜならば、アベノミクスの効果が波及し始めれば、日本国内の需要が喚起され、日本が海外からより多くの物を買うことができ、各国の経済も潤うからです。

従って、まずはアベノミクスの効果の現れを待つ必要がありますし、同時に、アベノミクスには足りない、将来の日本経済をけん引するような未来産業の育成を図っていくべきではないでしょうか。

※:1月25日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20130125-OYT8T00343.htm?from=popin