国連安全保障理事会は、1月22日、昨年12月に長距離弾道ミサイルの発射実験を実施した北朝鮮に対する制裁を強化する決議案を全会一致で採択しました(※1)。
この決議案の採択を受けて北朝鮮は、反発を強めると同時に、3度目となる核実験の実施を示唆しています。
北朝鮮は、今回の決議案の採択以前に、既に、核弾頭の小型化・軽量化を目的に核実験の準備を進めていたとの観測があります。
北朝鮮にとって、外交カードとするためには、長距離弾道ミサイルと核はセットであり、決議案の採択を口実に短期間のうちに実験に踏み切ることが予想されます。
国連安全保障理事会は、本来の機能を発揮して、北朝鮮の挑発的な核実験を断固阻止すべきです。
今回の決議案の採択では、北朝鮮の後ろ盾であり、実質的に生殺与奪の権を持っている中国が、強力な金融制裁など新たな形の制裁を盛り込まないとして、米国提出の決議案を最終的には受け入れたとの観測があります。
習近平総書記も、北朝鮮による核開発に反対する考えを示している模様です(※2)が、それが単に国際社会からの批判を回避するためでないことを示すために、中国は、今度こそ国連安全保障理事会の場で率先して、北朝鮮に対し核実験の中止を求めるべきです。
リビアやシリアでの問題などでも、中国やロシアの思惑で、国連安全保障理事会は何度も機能してきませんでした。
中国も北朝鮮を手懐けることに苦労しているとする見方もありますが、実際は中国と北朝鮮は裏で繋がっていると見るべきです。
もしも、中国が北朝鮮に対し核実験中止を求めない場合は、中国を安保理常任理事国から退任させる圧力をかけることも考えるべきではないでしょうか。
※1:1月23日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/130123/kor13012308520001-n1.htm
※2:同http://sankei.jp.msn.com/world/news/130123/kor13012320580005-n1.htm