大阪市立桜宮高校のバスケットボール部で、昨年末、顧問の教師による体罰が原因で高2の男子生徒が自殺しました。
同校では、以前にも体罰の通報があったにもかかわらず、隠ぺいや見逃し続けた経緯が明らかになっています。
この問題で、大阪市の橋下市長は、同校の体育系2科の今年度の入試を中止することを宣言したものの、受験生、保護者、一般市民からも「行き過ぎだ」との抗議が殺到し、その後、従来と同じ試験科目のまま普通科として入試を実施することを決めました。
こうした単なる看板の付け替えにも見える決定を橋本氏は、ベストな案だとして絶賛しました。
もう皆さんもお気づきだとは思いますが、橋下氏はまずハッタリをかまして大向こうをうならせ注目を浴び、その後、世論の反発で旗色が悪いと見れば、いとも簡単に方向転換をするといういつものやり方です。
この他にも、橋下氏は、同校の体育系2科の全教師を入れ替えなければならないとしていますが、調査の結果から全ての教師の関与が明らかになったのであればまだしも、それをしないで一方的に決めるのは、一部の罪を全体の責任としているようなものです。
そもそも、橋下氏は、時には体罰が必要との考えを示していたにもかかわらず、現在では、体罰を完全に否定する立場に転換しています。
主張をコロコロ変えるという橋下氏のやり方は、ある意味、世論を見る目に長けているのかもしれませんが、こうした底の浅いような劇場型の手法を繰り返していては、世論も橋下氏を見放す日が近いのではないでしょうか。