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2013/01/10【国防長官へのヘーゲル氏の起用は日本にとってどうなのか】

米国のオバマ米大統領は、1月7日、新たな国防長官に共和党のヘーゲル元上院議員を指名しました。

御存じのように、米国では、民主党がリベラル派で、共和党は強い米国を志向する保守派です。

オバマ大統領は民主党ですので、共和党のヘーゲル氏を起用することで、超党派の人事を演出する意図もあると思われます。

しかし、このヘーゲル氏は共和党の中にあって、オバマ大統領に近い考えを持つ政治家として知られています。

例えば、ヘーゲル氏は、ブッシュ政権が始めたイラク戦争に批判的な立場を取り、2008年の大統領選では共和党員ながらオバマ氏を支持しました。

全米共和党顧問であるあえば直道幸福実現党広報本部長によると、「彼は共和党の皮を被った、『民主党の中の民主党員』と言っても過言ではない人物」とのことです。

日本のマスコミは今回の国防長官人事をあまり詳しく報道していませんが、国防長官に誰が就任するかは、日本の安全保障にとっても重要です。

米国内では、ヘーゲル氏の対イラン・イスラエルへの姿勢が問われ、対中国への姿勢はあまり話題になっていないようですが、反戦的で対話重視のヘーゲル氏の起用で、今後米国は中国に対して強く出ることが無くなり、アジア重視の国防政策とは裏腹に、米国がますます東アジアから引いていくことが懸念されます。

日本政府は、引き続き日米安保の強化を図ると同時に、将来、米国が東アジアから引いていくことも念頭に、日本独自の国防体制を確立する必要があるのではないでしょうか。

※:1月8日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130108-OYT1T00182.htm