1月7日、自民党の国防部会で、平成25年度予算の防衛関係費を2.6%(約1,200億円)増額する決議を採択し、防衛費が11年ぶりに増額となる見通しとの報道がありました(※)。
安倍政権はこれに先立ち、民主党政権が閣議決定した現行の防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画の凍結を閣議決定する予定とのことです。
現行の防衛計画の大綱は、覇権的な性格を露わにする中国軍の動向や、核武装を進める北朝鮮の動向などを踏まえると、日本を守り抜くには不十分と言える内容です。
私たち幸福実現党は、予てから防衛計画の大綱を早急に見直すべきと主張していましたが、この主張が安倍政権により受け入れられた形となりました。
ただし、防衛費を1,200億円程度増額したところで、その予算規模は自民党政権が野党に転落する前の水準に戻ったにすぎません。
中国の2012年の防衛予算は公表している数字で約8.7兆円、非公表分を含めると15兆円ともいわれており、その規模は今後も拡大していくと考えられています。
一方で、日本の同盟国である米国の国防予算は削減されています。
日本の防衛予算の増額は、新たな軍拡競争を生むとの危惧がありますが、その危惧は正しくありません。
このままでは、東アジアにおける軍事的なパワーバランスが崩れ、日本に必要な抑止力が確保できなくなる恐れがあるのです。
日本は、こうした東アジア情勢を鑑みて、20年先を見据えた戦略を立てなければなりません。
そのために日本は十分な防衛費を捻出する必要があります。
政府は、新たに国防債を発行するなどして既存の予算確保の方法に囚われず柔軟に対応すべきです。
2012年に石原前都知事が、尖閣諸島の購入資金を募った際に、約15億円の寄付が集まりました。
このことからも、日本国民には国防債を受け入れる素地があることがわかります。
※:1月7日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130107/plc13010720550007-n1.htm