10月22日に韓国で、脱北者の団体が計画していた北朝鮮の体制を批判するビラの散布を、韓国の警察が直前に阻止したのは、北朝鮮が報復として実際に韓国へ軍事攻撃を行う可能性があったからだとの報道がありました(※)。
日本政府の韓国や中国に対する外交は軟弱ですが、こうした韓国と北朝鮮とのやり取りは、現実の国際政治の一端を物語っており、外交においては如何に毅然とした態度が重要か分かります。
今回の一件で、韓国は表向きには北朝鮮に対して強硬であっても、実は北朝鮮の暴発を極度に恐れていると見透かされ、今後も、北朝鮮の軍事行動を示唆する恫喝に翻弄される可能性があります。
最近の韓国は、大統領選を控え、支持を得るために愛国心に訴えるような反日的なキャンペーンが目立ちます。
先の李明博大統領による日本の竹島への不法上陸に始まり、11月2日には国連人権理事会の「普遍的定期審査」作業部会で、韓国などが従軍慰安婦への補償を要求したことを勧告として列記した報告書を採択しました(※2)。
しかし、慰安婦というのは、主に売春に従事していた女性を民間業者が募集し、戦地で日本兵を相手に営業したというのが真相であり、日本軍が強制連行したとされる従軍慰安婦なるものは悪質なつくり話です。
こうした反日キャンペーンにより、日本人の韓国に対する印象は良いものにはなっていません。
韓国は自国の現実的な脅威が、北朝鮮であることを認識すべきであり、万一、韓国が北朝鮮と事を構えるような場合は、日本の支援がどれほど重要になるか理解すべきです。
中国は、裏では北朝鮮と繋がっていることは自明であり、中国が仲裁したとしても韓国を有利に調停することなどあり得ません。
韓国は、反日キャンペーンが実は自国の安全を脅かすことに繋がるということを悟るべきです。
極東地域のパワーバンスという現実を見るならば、韓国は日本に対する態度を改めて、日韓で協力して北朝鮮の民主化に取り組む方が得策ではないでしょうか。
さもなければ、核兵器保有の疑いのある北朝鮮と隣接している韓国という国家が、背後からの脅威で地図上から消える危険さえあるのです。
武力による脅威を回避するためには、この現実に対処することが外交の鉄則だと考えます。
※1:11月3日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/121103/kor12110316290005-n1.htm
※2:11月3日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20121103-OYT1T00584.htm?from=main2