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2012/10/25【原発の停止による電気料金の値上げで景気に悪影響が】

関西電力など5社が来春以降に電気料金を引き上げる見通しとのことです(※1)。

既に、東京電力は、9月から家庭向けを平均8.46%値上げしていますが、関西電力は、来年9月までに家庭向けで1割強、企業向けで2~3割程度上げる見通しとのことです。

値上げの要因は、原発の再稼動ができないために火力発電への依存が高まったことに伴う、化石燃料調達費の増大です。

私たち幸福実現党は、予てより原発の再稼働ができないことによる電気料金の値上げの可能性を指摘してきましたが、関西においても現実のものとなってきました。

今年4月の経団連のアンケート結果によると、電力の供給不安と料金の上昇が重なった場合に、製造業の大半の企業が、「生産の減少を余儀なくされ、国内設備投資は減少し、その一部は海外に流出し、収益は減少する」と回答しています(※2)。

このままでは、一段の経済活動の低下と、雇用の喪失が懸念されます。

原発の代わりに火力発電に切り替えただけで国富が失われます。

原発のコストに占める燃料費は1割程度であり、あとの9割は雇用や維持管理費等なので、国内にお金が流れます。

一方、火力発電のコストに占める燃料費は7~8割程度であり、多くのお金が海外に流出することがわかります。

再生可能エネルギーも、そもそも原発に代わる発電量に到底及ばないのですが、7月1日から始まった再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度により、買い取り価格が電気料金に上乗せされています。

火力発電や再生エネルギーによる電気料金の値上げは、家計を圧迫するだけでなく、国内企業の競争力を低下させるとともに、製造業の海外移転など経済全体に深刻な影響があることが分かります。

現在の、脱原発依存の風潮は、感情的な要素が多分にあります。

脱原発のリスクを客観的に考える必要があるのではないでしょうか。

※1:10月21日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS2001G_Q2A021C1MM8000/

※2:4月26日付経団連タイムスhttp://www.keidanren.or.jp/journal/times/2012/0426_03.html