9月14日、尖閣諸島周辺の日本の領海を、中国政府の海洋監視船6隻が侵犯しました。
一日に侵犯した中国の公船の数としては過去最多です。
こうした数の力で徐々に主権を奪っていくという行為は、中国政府の常套手段です。
16日には中国の夏季休漁期間が終了するため、中国の漁船が尖閣諸島周辺海域に大挙して押し寄せてくる可能性があります。
南シナ海での領有権争いと同様に、中国は漁民保護を名目に、海洋監視船を多数派遣し、実効支配を強めてくることが予想されます。
対して、日本政府は尖閣諸島の実効支配を強めるための対策は、最小限にとどめています。
このままでは、尖閣諸島の中国支配まで秒読み段階と言わざるを得ません。
ここで、尖閣諸島は古くから中国の領土であるとの主張は、歴史的にも国際法上も根拠がないことを改めて整理しておきます(※)。
1995年に我が国が尖閣諸島を編入した以前、魚釣島をはじめとした尖閣諸島に中国の足跡はなく、国際法上は無主地でした。
そこで、我が国は、清国に領土編入の打診をしましたが、何ら異議の申立てはありませんでした。
1951年のサンフランシスコ平和条約でも、尖閣諸島は我が国が放棄した領土のうちには含まれていません。
そして、1895年の日本領編入から、国連の調査によって、尖閣諸島近海に油田が発見される1970年までの75年間、中国は一切関心を寄せておりません。
実際、1953年1月8日付の中国共産党機関紙「人民日報」では、「琉球群島は、わが国台湾の東北および日本九州島の西南の間の海上に散在し、尖閣諸島、先島諸島、沖縄諸島、など7つの島嶼からなっている」と紹介し、日本の南西諸島の一部であることを認めています。
このように中国の主張は全く根拠が無く横暴なものです。
石油が発見されたので領有権を主張するという行為は、国として浅ましいと言わざるを得ません。
ですから、尖閣諸島の領有権に関しては、一歩も引く必要はありません。
譲歩を重ねる外交姿勢は、結局は相手を増長させ、何ら解決に至らないことを理解しておくべきです。
※:外務省「尖閣諸島の領有権についての基本見解」http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/index.html