TPPについて、私たち幸福実現党は、農業部門を強化する機会としても、積極的に参加すべきと考えています。
しかしTPPに参加すれば、関税が撤廃され安い外国産の農産物により日本の農業は壊滅するとして、農業関係者を中心に反対する意見が多いようです。
更に、日本の低い食糧自給率を挙げて、TPP参加により食糧安全保障が担保できなくなると懸念する声も聞こえます。
確かに、日本の食料自給率は、2010年度で39%と、高くありません。
しかし、月刊雑誌「農業経営者」副編集長の浅川芳裕氏によれば、この農水省が発表している食料自給率は、カロリーベースであり、実は日本以外ではほとんど使用されていないものなのだそうです(※1)。
カロリーベースよりも、一般的な自給率は、生産額ベースによるものであり、日本のその値は66%(※2)となります。
つまり、農水省などは、この39%という数字を強調することで、国民に「日本の食料自給率は低い」という印象を植え付け、農業という既得権益を保護することに利用していると断じざるを得ません。
そもそも、日本の農業は、国際競争力がないわけではありません。
中国などでは、日本産米が高値で買われていますし、外国からの輸入関税がほとんどかかっていない野菜や果物でも、国産のシェアは8割程度あります。
更に、最近では、日本の植物工場の技術が進歩し、天候に関係なく安定して安全な作物を育てることができるようになっています。
日本の農業には高い潜在能力が秘められており、それを引き出す必要があるのです。
9月7日からウラジオストックで開催されているAPECでも、日本のTPP参加表明は見送られましたが、TPP参加を契機として、先進的で強い農業を作り上げ、新たな成長産業として育てていく必要があるのではないでしょうか。
※1:http://www.farm-biz.co.jp/images/pdf/200810_2.pdf
※2:http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.html