8月6日、民主党は原発政策を巡る政府への提言で「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」と明記しました(※1)。
これに先立つ4日には、政府のエネルギー・環境会議が、2030年に原発ゼロを目指す際の課題を検討し、その中で、電気代を含む家庭の光熱費は月額最大3万2243円と、現在の約2倍となる試算があることを明らかになりました(※2)。
年間では、20万円近い負担増になる計算です。
デフレ不況からの脱する道筋が見えない中で、復興増税が行われ、2014年からは段階的に消費税増税が行われようとしています。
ここに、もし脱原発が加われば、家計に負担が大きくのしかかります。
しかも、実質的に国の管理下にある東京電力による料金の値上げは、実質的に増税といえるものです。
更に、電気料金の値上げは、家計ばかりではなく、企業の経営にも影響を及ぼします。
製造業が海外に転出するなど、産業の空洞化をもたらし、国内ではリストラや倒産も増加する恐れがあります。
急激な脱原発が日本経済と家計に多大な悪影響を及ぼすことは明らかです。
経済成長が低迷する中での、可処分所得の減少は、一層の経済の低下をもたらします。
命を大切にするために脱原発を目指すという人もいると思いますが、脱原発で経済が低迷すれば、経済苦によって自殺する人が増えるという【現実】があるのです。
このまま、空気に流されて脱原発を進めてはなりません。
福島第一原発の事故は、「原発そのものが悪い」のではなく、「震災の規模を甘く見て、津波対策ができていなかった」ことが問題だと考えます。
やはり、再稼働可能な原発は、順次、再稼働を進めていくべきではないでしょうか。
※1:9月6日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS06023_W2A900C1000000/
※2:9月4日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120904-OYT1T00535.htm