シリアでの内戦による死者の増加に歯止めがかからない状態が続いており、シリア人権監視団によれば、昨年3月の反政府デモ開始以来の死者が2万5千人を超えたとのことです(※)。
以前にもこのブログで述べましたが、国連はシリアの内戦に対して有効な手立てを打てていません。
アサド政権に抗する反体制勢力はまとまりに欠け、アサド政権退陣後の受け皿になり得ないことなどが問題とされていますが、だからと言って、アサド政権による虐殺ともいえる行為を放置するわけにはいきません。
国連の安保理でのロシアや中国の姿勢は、安保理の「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任」を蔑にしているようなものです。
こうした中で、8月20日、オバマ大統領は、アサド大統領側が化学兵器の移動や使用を行えば、「越えてはならない一線」を越えたことになると警告しました。
この発言は、シリアに対する武力介入もありえることを示唆したものと見られています。
シリアで殺戮行為を止めさせるために、リビアでの事例を参考に、米国は有志国を募って軍事介入を行うことも必要なのではなないでしょうか。
シリアでの軍事介入は、セイン政権を倒したイラク戦争の時に比べれば、よほど大義があります。
また、シリア内戦でも明らかになったように、中国など国連常任理事国と紛争となった際は、その解決手段として、国連を当てにできないことが分かります。
日本は、こうしたことを念頭に、島嶼防衛と日米同盟の強化を図る必要があります。
※:8月30日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/120830/mds12083007440002-n1.htm