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2012/08/30【対処を誤ると尖閣は日米安保の適用外に】

8月29日、参議院で野田首相の問責決議案が可決し、今後は解散含みの中、国会の空転が予想されます。

この問責決議案可決の前に、駆け込みともいえるような法案17本が成立しました。

その中に、海上保安庁法改正案があります。

この法律は、尖閣諸島などを念頭に、これまで海上でしか逮捕する警察権がなかった海上保安官が、今後は、離島の陸上でも逮捕できるようにしたものです。

遅きに失したとはいえ、尖閣周辺の海上保安庁の警備体制強化とともに、ようやく、尖閣諸島への不法上陸や、中国漁船の領海内での違法操業などへの日本側の対処能力が向上することになります。

しかし、尖閣諸島を防衛するには、こうした海上保安庁の強化だけでは不十分です。

具体的には、武装した民兵や軍隊そのものが上陸するような事態には、準備が十分ではありません。

そもそも、尖閣諸島には自衛隊が配備されておらず、中国に侵攻という悪を犯させる隙があります。

万一の場合、日本の対応が遅れれば、自衛隊が想定している防衛出動や日米安保条約を発動させる機会を失う恐れもあります。

米政府は、尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内との見解を表明しています。

日本としては安心材料ですが、実は、米側は領有権について中立の立場を取っています。

ですから、尖閣諸島を実効支配し、日本国の施政下に置き続ける努力をしなければ、日米安保条約の適用から外れる可能性があることを理解しておくべきです。

従って、このような事態を抑止するための尖閣諸島の防衛体制を早急に構築する必要があると考えます。

同時に、日米同盟を強化しつつも、自主防衛力の強化を図ることが重要ではないでしょうか。