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2012/08/28【脱原発の民意は正しい情報に基づいているのでしょうか】

8月28日、政府は、将来の原子力発電比率などに対する国民の意見を分析する検証会合を開き、「少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる」とする総括案をまとめました(※)。

確かに、政府が実施した討論型世論調査では、2030年の総発電量に占める原発比率に関し、「0%」支持が最も多い46.7%を占めたとのことです。

しかし、こうした「民意」は、正しい情報に基づいて国民が下した判断を反映しているのでしょうか。

普通の国民が判断の根拠とするのはメディアが伝える情報ですが、その情報の質が悪ければ、それに基づく国民の判断も正しさが担保されません。


こと原発に関しては、情緒的ともいえる意見がありますが、それには、福島第一原発の事故に伴う放射線について、不安ばかりを煽る情報が氾濫していることも影響しているのではないでしょうか。

客観的な事実として、年間100ミリシーベルト以下の放射線では健康被害は報告されていませんし、福島の甲状腺被曝の線量はチェルノブイリの1000分の1程度であり、7月に福島や宮城以外で測定されたストロンチウムは、1960年代の中国の核実験時に日本に降り注いだ量の60分の1程度です。

こうした情報が、ほとんど報じられておらず、国民の不安を過度に助長している可能性があります。

民主主義は国民による多数決の原理が基本ですが、それが正しく機能するためには、国民の見識とともに、中立的で正しい情報が提供されることが前提となるはずです。

※:8月28日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120828-OYT1T01216.htm?from=top