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2012/08/12【東アジアでの有事に備え、日韓協力の重要性を説得できるだけの戦略的な視点を】

8月10日、韓国の李明博大統領は、日本政府の中止要請に関わらず、島根県の竹島を訪問しました。

この竹島訪問は、政権末期でレームダックに近い李政権が、国民の愛国心に訴えて政権浮揚を図る狙いが見て取れますが、外交について無策の日本の民主党政権の足元を見られたことは明白です。

民主党政権は、昨年末に韓国との外交で成果を上げたいとして、返還義務のない朝鮮王朝儀軌を事実上返還しましたが、こうした行為も、結果的に外交上、日本にとって何のメリットもありませんでした。

韓国との関係では、従軍慰安婦の問題もありますが、従軍慰安婦なるものが存在した証拠はないにもかかわらず、韓国側は国際社会に対し反日PRに余念がありません。

また、日韓の秘密情報保護協定の署名も韓国内での批判により延期されたままです。

中国や北朝鮮の軍事的脅威に備えるためには、民主国家同士である日韓関係を強化する必要性があるはずですが、歴史問題に端を発する反日感情が、いまだに健全な日韓関係の発展を阻害している状態です。

しかし、民主党政権は、先の衆院選でのマニフェストで、外交・安全保障政策についてはほとんど触れていません。

外交・安全保障政策は票にならないとの判断があったものと思われますが、そもそも民主党に国防の気概がないことが問題です。

今は歴史問題で揉めている場合ではなく、東アジアでの有事に備えて協力しなければならない現実を、韓国に対して説得できるだけの戦略的な視点を、日本は持たなければならないのではないでしょうか。