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2012/08/05【アメリカ合衆国の日本化が進む】

日本では、「社会保障と税の一体改革」の名の下に、消費税増税法案が8月10日にも議院においても採決される情勢です(※1)。

野田政権は「福祉のための増税」としていますが、景気の悪化を顧みない姿勢では、経済の一段の悪化が懸念されます。

一方、米国でも、自由と独立を重んじる国家から、福祉国家へと舵を切るような出来事が起こっています。

米連邦最高裁は6月末に、オバマ大統領の主導で2010年に成立した通称「オバマケア」と言われる医療保険制度改革法の個人保険加入義務について、合憲との判決を下しました。

この訴訟の争点は、健康保険の個人加入義務付けが、商行為の自由の侵害に当たるかどうかでした。

最高裁判決は、「保険加入しなかった人が支払う罰金は税金に当たるため、議会に認められている課税権限を超えるものではなく、不当な強制に当たらない」と規定しました。

この国民の自由を制限しかねない判決を最高裁が出したことで、米国も福祉国家への流れが固まったと言えます。

オバマ大統領は医療保険に70兆円以上を注ぎ込む一方で、国防費は今後10年間で約1兆ドル減らすことが固まっており、「米軍への投資を減らし、医療保険にバラまく」ことを選択したということになります。

大川隆法幸福実現党名誉総裁は2009年の時点で、「私は、『アメリカ合衆国の日本化が進む』と見ています。すなわち、アメリカの“ジャパナイゼーション”です(中略)。彼の政策の基本は、『融和政策』と『人間平等の思想を具現化する』ということです(中略)。日本のような標準化した国、『平均的に“誰もがそこそこ成功できる国”をつくりたい』ということが目標になるはずなのです。本人も自覚していないでしょうが、オバマ大統領の理想は、基本的には、『アメリカを日本のような国に持っていくこと』なのです」と看破しています(※2)。

オバマ大統領は就任直後から、景気を犠牲にしてまでも福祉政策を推し進めてきました。

その結果、ブッシュ前大統領の8年間の任期に増大した負債をも上回る、5兆ドルもの負債を増加させてきました。

オバマケアにより今後更なる増税が予定されており、再び不況を呼び込む可能性が高いといえますし、もしそうなれば世界経済にも大きな影響を与えるでしょう。

世論調査では療保険制度改革法を支持する米国民33%、不支持47%との数字も出ています。

唯物論が強い社会は大きな政府による社会主義的保障に傾きやすく、結果として個人の自由が制限されることに繋がるのですが、米国民の間にまだまだ「自由」を重んじる精神が残っていることを信じたいものです。

※1:8月4日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120804/stt12080400040000-n1.htm

※2:大川隆法著『日本の繁栄は、絶対に揺るがない』収蔵