デフレ下での増税という暴挙とも言える消費税増税法案が、6月26日にも衆議院で可決されようとしています。
社会保障などの抜本的な改革を置き去りにして、政府を肥大化させ、国民に負担を強いる増税のみが先行している状態です。
政府は、増税の理由の一つとして、「日本の財政赤字は許容できないレベルに達しているので、いつ日本国債が暴落してギリシャのようになるとも限らないので、一刻も早く財政再建策として消費税増税が必要である」という旨を上げています。
しかしこれは、消費税増税を行いたいがための脅しに過ぎません。
そもそも、国債の大部分を海外勢によって買われているギリシャと違って、日本国債はその割合が1割未満なので、日本をギリシャと同一視するには無理があります。
しかも、日銀が6月19日に公表した統計(※)によれば、日本国債の海外勢による保有率が2011年度末時点で8.3%となり、年度末ベースで過去最高を記録したとのことです。これは、ユーロ危機の深刻化で、海外マネーが日本国債に流入したと見ることができます。
ギリシャ国債の利回りは年30%近くであり、スペイン国債も7%程度です。対して日本国債の利回りは1%を切っています。
それでも、海外投資家は日本国債を購入し続けており、彼らは、比較論であったとしても、日本国債が世界一安全だと認識しているということにほかなりません。
政府や日銀による増税の根拠は、たいへん嘘くさいことがわかります。
事実、政府は海外向けには日本国債は安全だと自ら強調しています。
政府は、こうした国民を騙すような行為はやめて、今すぐ消費税増税法案を廃案にすべきです。
今、政府がやるべきことは、増税ではなく経済成長を促すことです。
世界から買われている日本国債を思いきって増発し、日本のみならず世界経済を強い円で救うといった発想が必要とされているのではないでしょうか。
※:6月20日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/mnews/20120620-OYT8T00295.htm