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2012/04/26【国家解体を目指す左翼勢力による脱原発論に煽られてはならない】

4月24日に、大阪市の橋下市長らが首相官邸を訪れ、藤村官房長官に「原発再稼働に関する8提案」を提出しました。

この提案は、当初「8条件」としていたものを、批判を受けたため、柔らかな「提案」という表現に変えたとのことです。

しかし、橋下市長は「電力の安定供給」という「電気の質」は、企業にとって生命線であることを理解していないようです。

橋下市長は「原発が全部止まっている状況でも、明日あさって関西府県民が死ぬ状況になるわけじゃない。

ピーク時にちょっと我慢して乗り越えられる(※1)」としていますが、これは机上の空論に過ぎません。

現実には、リアルタイムにピーク時の需要をカットすることは困難な上、事業所の多くは電気料金の安さより供給信頼度の高さを重視しているのです(※2)。

電力を大量に必要とする製造業は、夏の電力不足で工場の操業がおぼつかなくなる企業も出てくるでしょうし、万一、供給予備率が低下すれば、最悪の場合、大規模停電が発生し、企業にとって莫大な損失が生じます。

また、『原発「危険神話」の崩壊』(池田信夫著)によると、電力会社がLNGを大量に購入したことが原因で、原発を止めつつある日本は資源国から足下を見られており、米国の6倍もの価格でLNGを購入させられているといいます。

2011年の日本の燃料輸入額は21兆8000億円で、前年と比べて4兆4000億円も増え、GDPの約1割が燃料輸入に消えたことになります(みずほ総研調べ)。

このように、経済的な面からも電力の安定供給を確保する上で、原発の再稼働はたいへん重要です。

原発事故、再稼働に関する民主党政権の対応のまずさを批判することと、原発の安全性の確保の問題、さらには日本のエネルギー政策の方向性などは、別個に議論すべきものではないでしょうか。

橋下市長は、見るべき政策もありますが、国家解体を目指している左翼勢力による脱原発論に踊らされているのではないかと危惧しています。

※1:4月1日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/life/news/120401/trd12040121060011-n1.htm

※2:電力中央研究所による需要家調査(2007)