4月17日、安住財務相は、ユーロ危機の拡大に備えた資金基盤強化のために、日本政府がIMFに対して最大600億ドルを拠出すると表明しました(※)。
IMFの最大の出資国である米国が資金増強に反対し、他の加盟国も欧州自身の金融安全網の拡大が不十分として慎重な態度を示している中で、第2位の出資国である日本が率先して拠出することで、国際的なIMF強化の流れをつくる狙いがあるとのことです。
ユーロ危機の懸念はひとまずやわらいだとはいえ、日本政府がユーロ圏向けに多額の出資をしたこと自体は評価できるものです。
しかし、問題はそのタイミングです。どうせ資金を拠出するのであれば、なぜ、ユーロ危機が最も懸念されていた昨年末か今年初めの段階で出資しなかったのでしょうか。
私たち幸福実現党が主張していたように、ギリシャが管理デフォルトに陥る前に、ギリシャに貸し付けを行っていれば、ギリシャ危機を止めることに繋がり、日本の国際信用力は一気に高まったはずです。
これは、ユーロ圏への中国の影響力拡大を防ぐ意味でも重要でした。
2008年にサブプライムショックで世界に激震が走った時に、当時の麻生政権がIMFに10兆円を出して世界同時恐慌を未然に防いだことがあったように、日本はユーロ危機を救う力を持っています。
しかし、今回の安住財務相の発表を見ても、野田政権の経済オンチぶりがわかります。
※:4月17日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120417-OYT1T00448.htm