4月13日、北朝鮮は長距離弾道ミサイルの発射実験を行いましたが、高度120kmまで上昇した後に空中分解し、実験は失敗に終わりました。
今回のミサイル発射に際し、当初、日本政府は、発射の事実が確認されれば全国瞬時警報システム(Jアラート)により各自治体に速報するとしていましたが、実際にはJアラートは作動せず、自治体向けの緊急情報ネットワークシステム(Em-Net)により発射から20分以上遅れて公表されました(※)。
しかも、Em-Netで公表された内容も、「発射したのと一部情報があるが、わが国としては、発射を確認していません」ということでしたので、「発射の事実を速報した」とは言えないものです。
藤村官房長官は、北朝鮮の発射場所や発射方向などを特定した発表が遅れたことについて、「3年前の経験もあり、誤情報を出さないために、必ずダブルチェックをするというのが当初からの対処方針だった。レーダーなどあらゆる情報手段を活用して、もう1つのルートを確認していた」と釈明しました。
北朝鮮から弾道ミサイルが発射されれば、短時間で日本上空に達します。
今回の発射では、弾道ミサイルが予定よりも短い距離を飛翔しただけで空中分解したことによる探知の難しさを差し引いても、政府は、本来想定された情報伝達が上手くいかなかったことは明らかであり、誤報の批判を恐れて対応が遅れた感がさえあります。
今回、発射された弾道ミサイルの燃料には有毒物質である「ヒドラジン」と「四硫化二窒素」が使用されていると目されているので、国民保護の上からも、情報の伝達は迅速に行うべきでした。
今回は事前に発射予告があった「実験」であったにもかかわらず、民主党政権の対応はこの体たらくです。
民主党政権は「国民の生命・安全・財産」を守る気概が圧倒的に不足しており、危機管理能力が素人の寄せ集め程度にさえ感じます。
今は消費税増税に政治生命をかけている場合ではありません。
今、日本がなすべきことは、国際社会と連携して、北朝鮮に弾道ミサイルの信頼性を向上させるような更なる実験や、今回の発射失敗を受けての失地回復のための核実験実施をさせないようにすることです。
「国民の生命・安全・財産」を軽視する民主党政権に、日本を任せることはできません。
※:4月13日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120413/plc12041311150026-n1.htm