4月10日の金融政策決定会合で、日銀は金融政策の現状維持を決めました。
日銀は2月に、1%の事実上のインフレ目標を導入し、日経平均株価が1万円台を回復する大きな要因となりました。
しかし、今回の現状維持の発表で、市場に失望感が広がり売りが先行した形です。
誰の目から見ても、1%の物価上昇率を達成するのに「現状維持」では不十分です。
デフレを脱却するには、現在の日銀の金融政策では規模が小さく、一過性の効果しかもたらしていないと言えます。
金融政策が効果を発揮するには一定の時間が必要です。
リーマンショック時に米英の中央銀行がデフレと景気悪化を食い止めたのは金融緩和によるところが大きいのです。
FRBのバーナンキ議長をはじめ、世界の中央銀行が大量の株や証券など購入をして通貨供給を増やしたのは、大恐慌や日本のバブル崩壊の反省に基づいているからです。
日銀はインフレファイターとも言われますが、インフレ目標を導入したものの、潜在的にインフレを毛嫌いしているようです。
しかし、2月の日銀のインフレ目標導入と追加緩和で、ある意味で世界恐慌の引き金を止めたのです。
日銀はそのような大きな力を持っているということを自覚するとともに、金融政策の目標達成責任を明確にすべきです。