◆日経ベリタスが国債関する特集を組んでいます。
同紙は日本の金融機関は国債発行額の66%を保有する国債過剰症候群に陥っていると主張しています。
有望な貸し出し先が存在しないから、(仕方が無いので)国債を購入していることを象徴しています。
人間であれば、過剰に特定の栄養に依存すれば、何らかの症状いわゆる生活習慣病に注意しなければいけないのでしょうが、菜食主義者がコレステロール過多になるはずはありません。
◆何としても消費税増税を実現したい財務省は安住大臣を動かして国債が紙くずになると発言させています。
金融投機筋が国債の先物売りを本気でしかけてくるかとは思えませんが、財政赤字が続けば国債の値下がりが起こるぞ!とまるでイソップ物語の狼少年のようですね。(財務省「オオカミ少年」論 田村秀男著)
◆海外投資家は国債の保有残高は低いのですが、市場における売買、特に先物市場における取引では4割を占めています。
海外の投資家は売ったり、買ったりで忙しいのです。確かに、投機筋による国債下落の可能性はゼロではないでしょう。
しかし、海外にお金を貸している国家が破綻することは歴史上で起きたことはありません。逆に、金利が上がって国債の値段が下がる状況はインフレなので、恐らく税収は増えているでしょう。
要するに、紙くずには絶対になりません、万が一の場合は日銀が買う(お札を刷る)だけでよいのです。
◆そもそも、金融庁は国債をゼロリスクとしているので、リスクが存在するなら、とんでもないことが起きます。
金融機関は国際規制である不良債権率を満たせなくなるので、貸し剥がしが起こることを意味します。
(貸したい相手がいないのに?)安住財務大臣は相手のいない喧嘩をしているとしか言いようがありません。
◆日経ベリタスの記事では、怖いオオカミさん(投機家)がやってきて、狼狽した大手金融機関が文字通り狼狽売りすれば、国債の下落は起こりうるとしています。
しかし実際には、ヒツジの数があまりにも多すぎるで、空売りが失敗した際のダメージも大きくなってしまいます。
現実はオプション取引と呼ばれる手数料のみがリスクとなる先物市場への参加に限定されているようです。
いわば宝くじのような一攫千金を狙った行動に限定されているということです。
◆欧州や中国ではかつて日本が経験した貸し剥がしの嵐が吹いています
。有名なブランドであっても日本企業に買収の打診が多く持ち込まれているそうです。
(日本と世界はこう激変する 長谷川慶太郎・三橋貴明 著) 消費税で消費が減っても、政府が再配分するので景気は悪くならないというのが政府(財務省)の主張です。
ある有名証券会社のエコノミストは社会保障への安心が生まれるので、消費が増えるかもしれないと主張しているのを聞いて私は耳を疑いました。何かおかしいと思いませんか?
◆財務省が危険を煽って狼を招き寄せている絵は、何かおかしい?どころではありません。