先に、政府・財務省はあの手この手を使って、消費税増税に向けたキャンペーンを展開していることを指摘しましたが、今回は、財務省のIMFを通じて増税をしかける目論見を指摘したいと思います。
現在、IMFの副専務理事には、元財務官僚の日本人がいます。
これは、日本政府のIMFへの出資金が大きいからです。
その関係で、財務省のスタッフも数十人派遣されており、主に日本の経済分析を担当しています。
そのため、IMFから増税の提言やレポートが増えているのです。
しかし、レポートの中には、経済成長率の変動の税収への影響を盛り込んでいない税率をいじるだけの会計上の計算の枠を出ないものや、「市場の信用」という曖昧な言葉を根拠にしているものもあります。
更に、IMFも必ずしも一枚岩ではありません。
IMFトップのラガルド専務理事は、昨年の8月にフィナンシャル・タイムズのインタビューの中で、「性急な財政再建は景気に悪影響」を及ぼすことを指摘しています。
IMFのチーフエコノミストのオリヴィエ・ブランシャール氏も、ラガルド専務理事と同じ発言を繰り返し、債務削減は長期戦で取り組むことを主張しています(※)。
政府・財務省は、「IMFも増税が必要といっている」として、消費税増税を主張していますが、このようにIMFの発表は日本の財務省の都合を反映している可能性があるので、少し割り引いて見る必要があります。
※:http://www.imf.org/external/japanese/np/blog/2012/012412j.pdf#search=’IMF