野田首相が強く志向する消費税増税について、連立与党内でも未だに意見統一ができていません。
3月13日に行われた野田首相と国民新党の亀井代表との会談で、亀井氏が「庶民が困っている時にお金を召し上げるというようなことはよくない」として、消費税増税法案の閣議決定への協力要請を拒否しました。
こうした亀井氏の考えは至極当然です。
大震災直後の「復興財源のための消費税増税」の流れが、復興増税成立後に、いつの間にか「社会保障財源としての消費税増税」へと巧妙に姿を変えてきました。
政府は、去年の政府広報の中でも言っていますが、「(日本は)自然現象として、高速で社会保障費がのびる」としています。
しかし、日本人だけが高速で年を取っている訳ではありません。単に、お金をたくさん使っているから増えているだけです。
こうした部分にメスを入れず、「北欧型の福祉国家が一番正しい」と刷り込み、「社会保障」という言葉を免罪符に使っているのです。
社会保障費の増大の“元凶”は、厚生労働省と文部科学省です。
もし、「国債のほうが税収を上回っていて、年間予算の半分しか税収が無い」と財政規律を強調するのであれば、この“元凶”の部分を縮小するか、外すかしかありません。
英国病から救ったサッチャー首相は、「福祉国家は国を衰退させる」として、批判を受けながらも社会保障費や教育関連費を大幅に削り、英国を立ち直らせました。
日本も、民間にできるところはどんどん民間に任せるべきです。
日本には、日教組をはじめとした公務員団体がありますが、例えばもし、安定を求めて学校の先生になっている人がいたとすれば、教育を公営でやるのは最小限にして、民間に開放するのが効果的であると考えます。
しかし、今の民主党にそれができません。
民主党の有力な支持団体には日教組があり、民主党の幹事長がその親玉ともいわれる輿石氏だからです。
こうしたことからも、民主党政権には一日も早く退陣してもらう必要があります。
そして、消費税増税では、社会保障費の問題を解決できないことも認識すべきです。