福島の原発事故から1年、未だに放射能に関する風評被害が続いています。
「放射能による健康被害が今にも起こる」と言わんとばかりの報道を目にすれば、不安感をあおられる気持ちは理解できる部分もありますが、冷静に事実を把握することが重要です。
2月20に福島県が、原発事故による県民の外部被曝線量を、放射線量の高い浪江、川俣、飯舘3町村の約1万人について調査した結果を発表しました。
これによると、1ミリシーベルト未満が約58%、1ミリシーベルト以上10ミリシーベルト未満が41%、10ミリシーベルト以上が0.7%であり、このうち20ミリシーベルト以上は2人で、最高は23ミリシーベルトとのことです。
この結果について、福島県立医科大学の山下副学長は、
「年間100ミリシーベルト以下の被曝では明確な発がんリスクはなく、この結果から健康影響は考えにくい」と述べています。
また、放射線防護学が専門の札幌医科大学の高田純教授は、ザリバティ4月号で、「(福島第一原発の20キロ圏外では)体外から受ける外部被曝であれ、体内の放射性物質から受ける内部被曝であれ、福島県民に健康被害を与えるレベルではないということが確認されています。
(中略)今後の私の予測計算では、今年2月をピークにして内部被曝線量は次第に低下していきます。
セシウムは2種類ありますが、そのうち半減期2年のセシウム134がこれから減衰していくからです。
しかも、人体の代謝により、セシウムが蓄積され続けることはないのです。実効半減期が100日と短いからです。」と述べています。
週刊誌などは未だに不安を煽る報道をしていますが、こうした客観的な事実をもとに、過度に放射能を恐れないことが大切です。
微量の放射能への恐怖をあおるマスコミの中には、商業的な意図とともに、放射能を恐怖させ「脱原発」を進めることで、日本に電力不足と核兵器へのアレルギーを定着させる意図があるのではないでしょうか。
日本を衰退させる「下山の思想」を定着させる試みには、組してはなりません。