米国共和党の大統領予備選は、3月6日、10州で投開票が行われる注目のスパーチューズデーを迎え、ロムニー氏が6州、サントラム氏が3州、ギングリッチ氏が1州でそれぞれ勝利しました。
今回は全体的にロムニー氏が優勢だったとはいえ、サントラム氏との差は僅かであり、ギングリッチ氏も選挙戦の継続を宣言しています(※1)。
よって、まだまだ共和党の予備選は熾烈な戦いが続きそうです。
さて、日本ではガソリン価格がジリジリと高騰を続けており、石油情報センターが7日に発表したレギュラーガソリンの平均価格は、150円寸前まで上昇しています(※2)。
こうした状況は、イランの核開発問題を契機に、世界的にも同様です。
そんな中、ギングリッチ氏が「ガソリン価格を1ガロン2.50ドルに」というキャンペーンを打ち出し注目を集めています。
近年の採掘技術の発達で、石油が埋まっている場所の特定がより効率よくできるようになったことなどから、同候補は国内の石油採掘を大幅に増やしてエネルギーの自給をはかり、米国を世界一の石油生産国にするとしています。
エネルギー自給率の向上は、安全保障にも資するものです。
同氏は、自身が訴えるフラット・タックスとの相乗効果により、100万件の新規雇用も見込んでいます。
このような新しい論点を提示することはギングリッチ氏の強みといえます。
一方で、日本の民主党政権は、エネルギー政策の展望を示せずにいます。
原発のほとんどが停止し、再稼働の目途が立たない中で、化石燃料への依存が高まっています。
このまま、原発が再稼働しないのであれば、夏の電力供給が逼迫し、国民は厳しい節電を強いられることが目に見えています。
こうした状況は、産業界にとっても、生産拠点の海外への移転などを促し、ますます雇用機会を奪うことにつながります。
野田首相は、消費税増税に血眼になっていますが、その前に、やるべきことがたくさんあります。
※1:3月7日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/120307/amr12030721130012-n1.htm
※2:3月7日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120307-OYT1T00942.htm?from=main3