2月27日、日本唯一のDRAMメーカーであるエルピーダメモリが、会社更生法の適用を申請しました。
既に300億円もの公的資金が投じられている中での、今回のエルピーダメモリの破綻の要因は、半導体価格の下落、円高、震災など様々ありますが、かつて世界を席巻した「日の丸半導体」の凋落ぶりを浮き彫りにした形です。
DRAMと同じように、かつて世界を席巻した日本製品の中には、輝きを失ったものが多くあります。
こうした状況を打開する一つの方法として、国際競争力を強化するために、日本の法人税を削減する必要があります。
近年、欧州各国やアジア諸国では国際競争力強化に向けた法人税率の引き下げが相次いでおり、去る22日には、米国のオバマ政権が「法人税改革案」を発表しました(※)。
現在の米国の最高税率は35%であり、これを28%に引き下げる方針とのことです。
また、欧州では、2008年にドイツが約39%から約30%、イギリスが30%から28%、2010年には再びドイツが29.4%へと法人実効税率を引き下げています。
この流れは、中国、韓国、台湾などでも見られます。
一方、日本はその流れに取り残され、世界平均と比較して10~15%高い水準で高止まりしています。
このままでは、国際競争力を失うばかりか、産業の空洞化を招きます。
儲かっている企業から取れるだけ取ろうとする「格差是正」や「搾取されたものを取り戻す」といった左翼的・労働組合的な発想では「国富」を減らすだけです。
法人税の削減は、設備投資や雇用の拡大をもたらし、中長期的にはGDPを押し上げる効果があり、景気の回復は税収の拡大にも繋がります。
今こそ、法人税の「半減」を断行すべきではないでしょうか。
※:2月23日付時事通信http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120223-00000010-jij-int