既存の政党の支持率が低迷する中で、橋下大阪市長が代表を務める地域政党「大阪維新の会」が国政に進出するのではないかと取りざたされ注目を集めています。
1月29日、橋下氏は、税制や社会保障、外交など国政に関する基本的政策づくりを進め、坂本龍馬の新国家構想になぞらえ、現代版「船中八策」として策定する考えを示しました(※)。
この構想は事実上、次期衆院選に向けた公約と見られています。
橋下氏の国政進出をめぐっては、様々な勢力がラブコールを送っており、みんなの党や、同じく国政進出を目指す大村愛知県知事、それに、噂されている石原東京都知事の新党も、都市重視の政策や保守的な考え方で共鳴し合っているとされています。
こうした橋下氏との連携の動きは、世論調査で人気が高い橋下氏頼みであることは間違いありません。
従って、今後、橋下氏がどんな政策を打ち出し、どんな政権をつくろうとするかが注目です。今までの橋下氏の言動から考え方を探ってみると、「公務員改革」、「民営化推進」、「教育委員会改革」、「TPP参加に賛成」、など見るべきものが多いことがわかります。
一方で、「地域主権の推進」や「脱原発」なども提言していますが、軍拡を続ける中国や北朝鮮などの動向から国防上の危機が懸念される中で、地域主権を強く志向している点と、エネルギー政策として安全保障上リスクが高い脱原発を進めようとしている点が気になります。
橋下氏は地域政党を基盤としているため、肝心の安全保障については国政を担う政党としての限界が出てくると言わざるを得ない状況ですが、いずれにせよ、今後も氏の動きに注目です。
※:1月30日付読売新聞http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120130-OYO1T00190.htm