1月24日、日銀の白川総裁は金融政策決定会合後に記者会見を行い、「景気が回復する時期は平成24年度前半に後ずれした」との認識を示しました。
この記者会見での白川氏の発言の要旨は、「景気の現状は海外経済の減速や円高の影響から横ばい圏内の動きである」「欧州危機は世界経済の下ぶれをもたらす可能性がある」「原油価格などの動向は、イラン情勢の緊迫化を踏まえ不確実性が大きい」などです。
こうした白川氏の発言を見ていると、ただ評論家のように「欧州がどうで、米国がどうで、新興国がどうで、そして日本はこうだ」と言っているだけに聞こえます。
日銀は、低迷する日本経済を下支えするために、「何をしたいのか」また「何をすべきなのか」が伝わってきません。
むしろ、日銀は「何もしない」と言っているとしか思えません。
以前から、私たち幸福実現党は主張してきましたが、日銀は一層の金融緩和を行い、デフレギャップ相当分の20兆円を含め、最大で70兆円程度の国債を日銀が直接引き受けるのが最良の対応策ではないでしょうか。
白川氏はこうした意見に対し、「日銀の国債引き受けは、グローバル市場に対する誤ったメッセージになる」として応じていません。
しかし、米国のFRBでさえ「デフレになってはいけない」という理由で、50兆円規模の資金を市場に流していることを理解すべきです。
その上、日銀はインフレを極度に警戒しているようですが、過度のインフレにならないようにインフレターゲットの導入も併せて提言します。
現日銀総裁の座は、民主党により政争の具にされた結果、本来は出番ではなかったにもかかわらず、白川氏に決まりました。
こうした経緯から、白川氏が総裁として本当に適格なのか疑念を抱かざるを得ません。
そうした疑念を払拭するためにも、日銀は金融政策の軌道修正を行うべきです。