1月23日、田中防衛相は、沖縄県の仲井真知事と会談し、普天間基地の移設問題について意見を交わしました。
その中で、仲井真知事は改めて県外移設を求めたのに対し、田中氏も日米合意に基づき辺野古への移設に理解を求めたため、会談は従来と同様に平行線のまま終わりました。
しかし、政府は、日米合意の履行を、これ以上、沖縄県に丸投げし続けることは許されません。
このままでは、住宅街に近接し世界一危険ともいわれる普天間基地の固定化が現実のものとなってしまいます。
そして、普天間基地の固定化は、日米両政府にとっても避けたい事態であり、日米同盟に亀裂が入ることは避けられません。
日米同盟は日本の安全保障の基軸であり、東アジアの安全保障にも寄与しています。
一地方自治体の首長に、日本と東アジアの安全保障、そして、普天間基地のある地元の宜野湾市民の安全に関し、責任が取れるわけはありません。
外交安全保障は、国の専権事項です。
従って、仲井真知事が基地移設に関し公有水面の埋め立てを拒否した場合、政府は移転先の辺野古沖の埋め立て許可権限を、県知事から取り上げ、総理大臣に移す特別措置法の制定を急ぐべきです。
こうした特別措置法は過去にも例があります。
平成9年、米軍用地継続使用に反対する左翼地主の代理署名を拒否した革新系の大田知事(当時)に対して、「沖縄米軍基地の継続使用のための改正駐留軍用地特別措置法」を制定し、継続使用にこぎつけました。
今回も、政府は毅然たる態度で特別措置法を制定し、国家主導で普天間基地の迅速な辺野古移設を断行すべき時ではないでしょうか。