以前のこのブログで、「実質的に国有化された東京電力による値上げは、増税に相当する」旨を書きましたが、1月17日に東京電力は、4月から工場やオフィスなど大口の事業者を対象に、平均で17%の値上げを実施すると発表しました。
この値上げは、原発の再稼働ができない状況で、火力発電への依存が高まり、その燃料費が増加しているからです。
企業にしてみれば、散々節電を強いていながら、結局は値上げする姿勢に困惑するのは当然です。
よって、企業はこの決定を受けて、自家発電設備の増設や、東電の管轄外への工場移転などを検討するものと見られます。
こうした大企業が「東京電力外し」が進めば、東京電力は増加する燃料費を賄えなくなるので、次には小口の利用者や家庭向けの電気料金の更なる値上げに向かうことになります。
結局は、中小企業や個人にシワ寄せがきてしまいます。
このデフレ下で、電気料金を値上げすれば、企業収益を圧迫すると共に、人件費の削減をもたらし賃金が低下し失業が増えれば、民主党が進める増税と相まって、不況は益々深刻になります。
そして、赤字企業が増えれば税収も減ります。
更に、欧米がイランからの原油禁輸の追加制裁を決めたのに対し、イランはホルムズ海峡封鎖の可能性に再三言及しており、石油関連製品の価格を押し上げる要因にもなっています。
石油の約8割、LNGの約2割を中東から輸入している日本にとって、中東の情勢次第では、更なる電力料金の値上げや電力不足さえも考えられます。
こうした懸念は、原発を再稼動すれば払拭できます。民主党政権は、海外への原発輸出を容認しているのですから、国内の原発再稼働にも早急に尽力すべきです。