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2012/01/23【再び沸き起こる“日本はギリシャの二の舞”論】

1月13日の米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、ユーロ圏9カ国の長期国債の格付けを引き下げたことを受けて、「日本も財政健全化の道筋を示さないと、国債の暴落が起きてギリシャの二の舞になる」という意見があります。

安住財務相をはじめ政府も同様な見解で、「消費税増税なくして日本の将来はない」という考えのようです。

しかし、日本国債の約9割が国内で買われており、日本はギリシャと違って自由に金融政策が使えることや、EUのように財政安定化政策を採用していないことを見ても、日本をギリシャと同一視するのは無理があります。

そもそも、民主党の「税と社会保障の一体改革」では、消費税増税は「社会保障目的税化」として使用されます。

つまり、徴収した消費税はそのまま社会保障に使われるので、直接的には財政再建に寄与しません。

ハーバード大学のアレシナ教授の研究によれば、1960年から1994年までの期間で、OECD20ヶ国の増税の事例を調査し、全62の事例のうち、成功例は16、失敗例は46であったとのことです。

このうち、成功した事例の共通項は最初に歳出削減を行っており、失敗した事例の共通項は増税が先行していたとしています。

このことからも、財政再建について、歳出削減や経済成長による税収増、埋蔵金の活用などを十分に議論せずに、増税だけを先行している野田政権による財政再建は失敗に終わる可能性が高いといえます。