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2012/01/15【滞納、格差、景気減退、本当は問題の多い“消費税”という税制の実態】

1月13日、野田改造内閣が発足しました。

野田首相は改造内閣発足を受けての会見で、消費税増税の実現に向けての決意を改めて強調しました。

今回の人事で、注目されるのは岡田前幹事長の副総理兼社会保障と税の一体改革・行政改革担当相への起用です。

岡田氏は、政権交代前の民主党代表当時から消費税増税に積極的で、野田首相からの信頼が厚く、消費増税法案の通常国会提出を強力に推進するものと見られます。

消費税増税にひた走る野田内閣ですが、消費税には他の税目と比べて、滞納が多いという特徴があり、その額は2010年度で3,398億円にものぼります。この数字は、全税目の滞納額の約半分に相当します(※)。

また、民主党案では、消費税増税の影響を大きく受ける低所得者層に対しては、「給付付き税額控除」の導入を目指していますが、同じく、消費税増税の影響を大きく受ける中小企業に対しての議論は十分にはなされていません。

消費税が増税された場合、立場が弱い中小企業はその分、価格を上げることができず、消費税分を自分達でかぶらざるを得ないという指摘があります。こうなると、ただでさえ増税により景気が冷え込む上に、中小企業の倒産・廃業が相次ぎ、失業率も上昇することが懸念されます。

更に、消費税には「仕入れ税額控除」という制度があり、消費税の支払いは、仕入れで支払った消費税を控除できるため、正規雇用から控除対象となる非正規雇用への切り替えを促進します。

つまり、消費税を10%まで増税したら、ますます非正規雇用が増えることにつながります。

このように、消費税という税制そのものに問題点が多く潜んでいます。

消費税増税は、経済を冷え込ませるため、所得税などを含めた国の全体の税収は、過去の例からも中長期的に落ち込むことが明白です。

社会保障のための安定財源確保という建前で、財務省の権限や政府の機能を肥大化させ、国民を豊かにしない税制改革には断固反対します。

※:国税庁「平成22年度租税滞納状況について」http://p.tl/GER6