1月5日、オバマ大統領は、国防費の削減のための国防戦略の見直しを発表しました。
その中でオバマ大統領は、二つの大規模紛争に同時に対処可能とする「二正面戦略」から、一つの大規模紛争に対処した場合に他地域では紛争の抑止に傾注する戦略に切り替えると共に、「アジア太平洋重視」を打ち出しました(※)。
現在、軍事費が世界第一位の米国ですが、中国の軍事費が現状のまま増大し続ければ2020年には米国と肩を並べると見られています。
中国は覇権的に海洋進出を拡大していますが、米国が「アジア太平洋重視」を打ち出したことは、日本にとっては安心材料となります。
しかし、極東における米軍のプレゼンスは日米同盟が前提であるにもかかわらず、日本の民主党政権は、普天間基地問題などで失政を繰り返し、米国との関係をギクシャクさせています。
そんな中、先日のブログでも少し触れましたが、米国共和党の次期大統領候補者のポール氏が、在日米軍を撤退させることに言及しています。
徹底した「小さな政府」主義者のポール氏ですので、過激な主張が目立ちますが、それにしても共和党の中から、在日米軍の撤退に言及する候補者が出現したことに驚きを禁じ得ません。
ポール氏の発言がそのまま現実化する可能性は小さいのですが、もし今、「日米同盟」が破棄されたなら、日本は単独で国防を行わざるを得ません。
しかし、日本は防衛力の不備と憲法第9条の制約から、他国からの領土侵食に有効な手立てを打つことができません。これは、日本の属国化、植民地化への道です。
従って、「日米同盟」による「核の傘」や米軍の強大な軍事力の存在が、今の日本にとって死活的に重要な安全保障の要となっていることを理解すべきです。
平和ボケの民主党政権は、相変わらず普天間問題で右往左往し、増税に血道をあげていますが、中国の軍拡のみならず北朝鮮暴発や崩壊時に適切な対処を行えるのかはなはだ疑問です。
私たち幸福実現党は、「日米同盟強化」を訴え、普天間基地の県内移設、インド洋での海上自衛隊による給油活動の継続、集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈の見直しなど、日本側の具体的で積極的な努力が必要であることを訴えて来ました。
同時に、中長期的には米軍の後退傾向は避けられないため、抑止力の検討が必要です。具体的には、憲法第9条の改正、空母・原子力潜水艦・核抑止力等の保有、非核三原則の見直し等の「自主防衛」政策も早急に検討するなどの、国民を守るための方策を検討していく必要があると考えます。
※1月6日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/world/news/120106/amr12010601140000-n1.htm