12月
24

2011/12/24【民主党の公約違反の数々、これでも政権に留まるのか】

民主党が先の衆院選挙で公約としていた「八ツ場ダムの建設中止」を撤回し、12月23日に政府・民主党三役会議で、2012年度予算に八ツ場ダムの本体工事費用を計上することを決めました(※)。

2年前に建設中止を決めた前原民主党政調会長は、いまだに「党としては反対するが、政府の判断は容認する」などとしていますが、要は「建設中止を撤回した」ということです。福島の原発事故以来、各地の原発が停止して電力供給がままならず、電気料金も値上げせざるを得ない状況で、7割方完成している八ツ場ダムの建設を中止したことは、地元民などに多大な迷惑をかけたばかりでなく、結果的に自然エネルギーでもある水力発電を止めたことになります。2年前に建設中止を決めた民主党の判断は、誤りであったことはだれの目から見ても明らかであり、民主党自身もそれを認めざるを得なくなったということではないでしょうか。

民主党の公約違反はこれだけではありません。以下に主なものをあげます。

・現在、野田政権が進めている消費税増税は、マニフェストに一切書かれていないどころか、「現行税率を維持する」「議論すらしない」などと公約していた。

・普天間基地問題は、「最低でも県外へ移設する」としていたが、結局、引っ込めざるを得なかった。

・マニフェストの目玉の一つであった「子ども手当」は実質的に廃止される。

・同じくマニフェストの目玉の一つであった国家公務員の総人件費2割削減は実現困難な情勢である。

・「官僚丸投げの政治から、政治家主導の政治へ」とうたっていたが、消費税増税に見るようにほとんど官僚の振り付けで運営している。

他にもありますが、このように民主の公約違反は枚挙に暇がありません。政権交代後2年が経って、民主党の政策の多くが誤りであったことに国民が気づいてきましたが、政権交代時は、多くのマスコミが民主党を持ち上げたことは記憶に新しいと思います。

民主党が政権を担当したこの2年余りの間に、中国は軍事大国として海洋進出を本格化させ、世界同時不況が進み、日本としての選択肢が限られてきてしまってきています。鳩山氏といい、菅氏といい、野田首相といい、自らが「国難」を招いているということを反省すべきですが、多くのマスコミも民主党を持ち上げたことを反省すべきです。これ以上、民主党が政権の座に留まることは、日本国民にとっても世界の国々にとっても不幸を生むだけです。

※:12月24日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111223-OYT1T00644.htm