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2011/12/24【共通番号制に見る野田政権の国家社会主義的傾向】

12月21日、民主党は、消費税率を10%に引き上げた際の低所得者対策として、「給付付き税額控除」を導入する方向で一致しました(※1)。この「給付付き税額控除」は、国民一人ひとりの納税額や保険料負担額が分からないと、給付が必要かどうかの判断が難しく、行政コストがかさんでしまうため、「共通番号制」の導入が前提となっています。

民主党が制定を目指している「共通番号制」は、「マイナンバー法案」と言われるもので、導入の最大の目的は、税や社会保険料の徴収を効率化することです。「共通番号制」は、個人の所得を把捉できるため、税の申告漏れが少なくなることや、地下経済の取り締まりにも役立ち、旧社会保険庁の年金漏れのような事件を防げるといったメリットが確かにあります。

一方で「共通番号制」には、「個人情報が国家によって管理・監視される」というデメリットがあります。つまり、国家統制色が強くなるということです。これは、国家社会主義への道に繋がっています。野田政権は、同23日に政府・民主党三役会議を開き、消費増税を含む社会保障と税の一体改革の素案について、年内の取りまとめを目指す方針を確認しました。国民がデフレと震災に苦しんでいる時に、復興増税に加えて、消費税増税を行おうとしているのです(※2)。

大川隆法幸福実現党名誉総裁は、同10日のついき党首との対談で、「野田さんは松下政経塾を出ていることで保守であるかのように粉飾でき、カメレオン化できているので、『最終的には松下幸之助さんみたいに資本主義の繁栄を求める方向に行くんだろう』と、みんな漠然と信じている。『今は緊急対応で増税をやっているのかな』と。けれどもその底に、左翼の全体主義と似たものが流れている」と、野田政権の危険性を指摘しています。

現状では、民主党党内で消費税増税に向けてコンセンサスが得られておらず、野党も自民党は基本的に消費税増税志向ですが次期国会運営について解散総選挙と絡めて交渉してくるはずなので、消費税増税法案の成立は簡単ではありません。しかし、“どうじょう戦略”で泥の中に潜って活動しているせいか、野田政権へのマスコミからのバッシングは思った以上には無く、マスコミと連立している印象さえあります。

このままでは、日本経済が一層冷え込むばかりか、自由主義・民主主義も危険にさらされようとしています。こうした民主党政権には、即刻退陣してもらう必要があります。

※1:12月22日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111221-OYT1T01209.htm

※2:12月23日付日本経済新聞http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819481E0E1E2E3848DE0E1E3E0E0E2E3E38297EAE2E2E2