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2011/12/21【金総書記、死去】

12月19日、北朝鮮の最高指導者である金正日総書記が同17日に死亡したと各メディアが報じています。ここ数年はその健康状態が取りざたされていた金総書記ですが、数日前まで国内を視察していたとされるため、日本を含む関係各国にとっても予想外に急な出来事のようです。

今後は、後継者とされる三男・正恩氏を中心とした体制がしかれるものと予想されますが、正恩氏が金総書記のように盤石な政権基盤を固めることができるかが焦点となります。父親の金正日総書記が前総書記の金日成氏から10年以上の歳月をかけて権力を委譲したのに対し、正恩氏は年齢が20代とされ、後継者に擁立する動きが報じられてからわずか3年程度なので、北朝鮮国内の権力移譲の課程で様々な事態が起こる可能性があると周辺国は憂慮しています。

金総書記が死亡の報に際し、韓国は李明博大統領が予定していたすべての行事をキャンセルし、全土に非常警戒態勢を発動しましたし、米国はカーニー大統領報道官が声明を発表し「朝鮮半島の安定と、同盟国の自由と安全保障に引き続き関与していく」と日韓両国の防衛を強調しました。野田首相も、予定していた街頭演説を中止して、首相官邸に戻り、不測の事態に備えた万全の態勢をとることなどを指示しました。先日の、日韓首脳会談では、予想に反して日本に対して慰安婦問題で強硬な姿勢を見せた韓国ですが、日本は北朝鮮の動きに対して、韓国とも綿密に連絡を取る必要があります。

この北朝鮮問題について、大川隆法幸福実現党名誉総裁は、ちょうど1年前の昨年12月19日、「『この国を守り抜け』講義」と題した法話の中で、2012年の米大統領選で共和党に政権が戻ることを念頭に、「私は『アメリカは、北朝鮮の問題を二〇一三年ぐらいまでに片付けようとするだろう』と見ています、つまり、『現在の金正日体制は(あるいは、金正恩体制になるかもしれませんが)、あと二、三年以内に終わりを迎える可能性が高い』と、今、私は判断しているのです。(中略)それは、アメリカにとって、中国の空母が就役する前にやらなければいけないことだからです。その準備はもう始まっていると思います」と述べています。

米国の北朝鮮へのアプローチの方法は、強硬なものか、それとも融和的なものか、議論の余地がありますが、もしも2012年以降もオバマ政権が続けば、これまでも大規模な軍事行動を避けてきたことからすると、融和的なアプローチを選択する可能性があります。しかし、正恩氏は自分が後継者であることを誇示するために、何らかの軍事行動に出る可能性もあります。日本はこの動きを警戒するとともに、憲法改正議論や国防力・日米同盟の強化を進めるなどして足元を固め、北朝鮮の平和的崩壊に向けて力を尽くすべきです。