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2011/12/17【野田首相もよくみれば国家社会主義?】

新聞各紙による直近の世論調査で、野田内閣に対する支持率が軒並み下がっています。12日付の読売新聞の調査では、支持率が42%と前回11月の調査時の49%から7ポイント下がっています。また、同調査では不支持率が44%と、同じく6ポイント増え、9月の野田内閣発足から約3か月で初めて不支持率が支持率を上回りました(※)。

ここにきて、国民の間にも野田内閣に対する失望が広まっている状況です。あからさまな左翼思想を持った市民活動家である菅氏から、保守派と目される野田首相に内閣が代わったのですが、内閣発足後3カ月経ってわかったことは、野田首相が目指す国家の形は菅氏とあまり変わらないということです。

まず、今臨時国会の閉会直前に復興庁設置法が成立しました。役所を増やし、政府に強大な権限を持たせる方向性は完全に「大きな政府」への道です。民主党は政権交代直後に、郵政民営化をなし崩しにしましたが、今回の大震災による原発事故で、政府は、東電に一兆円を超す公的資金による資本注入を検討しており、「東電の実質国有化」も動き出しています。復興については、大規模インフラ整備など、基本的な部分では政府が担う必要がありますが、復興事業の主体はあくまでも民間であるべきです。そのためには、大幅に規制を撤廃、緩和し、自由性を持たせるべきなのです。

更に、野田首相は「復興増税案」を通しました。12月4日には各全国紙・地方紙に「社会保障と税の一体改革」と題する全面広告を掲載し、「消費税増税」に向けたアピールを大々的に行いました。この広告の中で語る野田首相には、「経済成長による税収の自然増」という極めて真っ当な発想が全く無く、野田首相の心象風景は、GDPで日本が世界で二十数番目くらいだった日本を思い描いていることが分かります。

つまり、野田首相は保守の顔をしていますが、その実情は大きな政府を目指す国家社会主義者です。今の民主党の中枢には、社会主義を望む政治家が多く、経営感覚が無いことが分かります。このままでは、国民の血税が無駄に使われてしまいます。今必要なのは、減税と規制緩和により、民間に自由を与える方向へ導く「小さな政府」なのではないでしょうか。

※:12月12日付読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111212-OYT1T00906.htm