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2011/12/15【税と社会保障を議論する際は、もっと経済成長を考慮すべき】

12月15日、政府民主党は、党社会保障と税の一体改革、税制両調査会合同会議を開きました。そこでまとまった一体改革素案では、70~74歳の医療費窓口負担を2割とすることを見送るとともに、医療機関受診時に100円を上乗せして支払う受診時定額負担制度の導入も削除されました(※)。

日本の一般会計予算に占める社会保障関係費は2010年で全体の3割にあたる27.3兆円に上り、今後も毎年1.3兆円規模で拡大するとの見込みがあります。このままでは、将来にわたって日本の社会保障制度が維持できるのか疑問です。

政府民主党はこの財源として消費税を充てるという考えであり、野田首相は来年の通常国会で消費税増税法案の可決を「不退転の決意」で取り組むとのことです。しかし、社会保障制度の抜本的な見直しを行うことなく、増税により財源を確保するのであれば、税率は際限なく上がることになります。実際、「税と社会保障の一体改革」の議論では、2010年代半ばまでに消費税を15%に、2020年をめどに20%へ引き上げる提案も出されています。

社会保障関係費のうち、国民の皆様が支払った保険料収入は約7兆円なので、20兆円以上は税金が投入されていることを意味します。その結果、私たちの医療や介護の自己負担は低く抑えられているのですが、増税の前に社会保障にこれだけの税金が必要かどうか見直すことは不可欠なはずです。

過去の例を見ても、社会保障制度にメスを入れることは、政治的にいかに難しいかわかります。しかし、「保険料負担の引き上げ」と「支出の抑制」は避けて通れないのではないでしょうか。

実は、消費税増税は、本当に福祉のために使われるのか保証はありません。むしろ、保険料引き上げの方が、その保険制度に確実に使用されるわけなので、増税よりも正当性があると言えます。また、中所得者や高所得者は、民間保険や自由診療を選択する余裕があるにもかかわらず、各階層を一律に扱うからこそ、自己負担率が低く、保険料が安くなり、医療や介護の過剰需要をもたらします。

社会保障分野を米国のように全て市場原理を導入すべきだとは思いませんが、現行の社会保障制度のままでは、参入規制や価格規制が強いため、非効率なサービスの温床になっている面もあります。

私たち幸福実現党は、「最大の社会保障は豊かな社会」と考えます。自由主義と自助努力に基づいた思想を社会保障に入れることで、いたずらに国家に頼らない個人や社会を目指します。「税と社会保障」を議論する際は、もっと「経済成長」を考慮し、安易な税金投入や増税ではなく、国家全体が豊かになる方向で社会保障改革を検討すべきではないでしょうか。

※:12月15日付産経新聞http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111215/plc11121520340014-n1.htm