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2011/12/12【女性の自立と家庭の大切さを両立させるという発想を取り戻そう】

厚生労働省の12月6日の発表によれば、全国の生活保護受給者数が過去最多を更新したとのことです。民主党の前原政調会長は10日の講演で、社会保障・税一体改革について、「社会保障にも無駄が多い。」と述べ、生活保護費にも切り込むべきだとの考えを示しました(※)。最低限のセーフティネットを踏まえつつ、国民が自立していく方向に向かうことは不可欠です。

生活保護の増加は、民主党政権誕生の原動力となった「格差批判」キャンペーンや「政治的圧力」によって、特に働ける年代への生活保護受給の基準が大幅に緩和されたことが、原因であるとの指摘があります。今後、東日本大震災で被災し、失業した方々の失業保険や雇用調整助成金が切れれば、生活保護世帯が更に増加することが予想されます。

従って、今最優先されるべきは、消費増税の議論や社会保障の拡充論議ではなく、雇用を拡大するための景気対策・経済対策であり、働ける世代が自立できるよう、早急な自立支援政策や支給緩和措置の再検討が必要です。

一方、国立社会保障・人口問題研究所の分析では、20~64歳の単身女性の3人に1人が、母子世帯は57%と過半数が、「貧困」だとのことです。しかし、こうしたデータには「貧困」の対象者には言及されておらず意図的なものを感じざるを得ません。大川隆法幸福実現党名誉総裁は、すでに2009年の時点で、「実は、貧困家庭は、夫と離婚した母子家庭であることが多いのです。つまり、本当は、『主たる生計者である夫の収入を放棄して離婚し、パートの収入だけで、子供を養い、高校、大学まで通わせるのは難しい』という問題なのです」「それにもかかわらず、マスコミは、社会構造自体が変わって、貧富の差が広がっているかのように捉えて報道しています。この点において、『嘘がある』『実態を隠して報道している』と言わざるをえません」(書籍『危機に立つ日本』より)と指摘しています。

マスコミは、民主党による政権交代の直前に、「小泉政権時からの弱者切り捨てによって日本人の格差が広がり貧困者がどんどん増えた」とし、「年越し派遣村」などに象徴される「格差批判」キャンペーンを行いました。しかし、これは明らかにマスコミの世論誘導であり、母子家庭の貧困問題を「格差社会」と拡大解釈して、マスコミや民主党は自民党政府の責任を追及して、民主党政権誕生につなげています。

左翼の考え方では、「子供は国家が面倒を見るべきである」との思想があり、「女性が一人でも暮らしていける制度にしなければならない」との考え方は正論に見えます。しかし、少子高齢化が進む日本で更に単身家庭が増えれば、日本の未来は衰退しかありません。その意味で、女性の働ける場を増やすことは当然ですが、それ以上に家族の大切さや、子供を育てる親を大切にする社会を実現することが重要なのです。

※:12月10日読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111210-OYT1T00567.htm