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2011/12/11【野田政権の失態で血税の余計な支出が】

12月7日、防衛相は、来年5月に契約更新する沖縄県内の米軍用地の賃料を、前年度比の約5億円増(1.6%増)の932億円とする方向で調整に入いりました(※1)。もともとの概算要求では、前年度比で1.1%増の927億円を計上していましたが、先般の前沖縄防衛局長や一川防衛相の問題発言で批判が集中しているため、沖縄の県民感情をなだめるために、増額せざるを得なくなった模様です。

度重なる民主党政権の失態で、5億円もの国民の血税が、余計に使われようとしています。財務省も「沖縄の地価が下がる中で、賃料だけ上げる合理性がない」としていますが、一般論から言えばこの指摘はまっとうなものと言えます。一方で、沖縄県の軍用地主でつくる「県軍用地等地主会連合会」は総額1782億円を要求しているとのことです。政府の提示する額と地主側の要求する額に開きがあるため、沖縄県民感情を考慮した政府の目論見がどのくらい功を奏するかはなはだ疑問です。

また、11月28日に、沖縄県の仲井真知事は政府に2012年度に創設する使途を限定しない一括交付金を3000億円規模とするよう求めています(※2)。今年度予算の沖縄関係振興費が約2300億円ですから、700億円もの増額になります。しかも、一括交付金化は、10年間予算確保できるよう要求しています。

仲井真知事は、政府が震災復興費用の捻出に窮している時に、政府の失態に乗じて、予算の増額を要求しているように見えます。東日本大震災の被災地では、十分な復興費用が確保できず、元通りの生活にいつ戻れるのか見通しが立たない被災者が未だに大勢いる状況です。仲井真知事は、増額分の要求予算の使途として、何が震災復興よりも優先するのか具体的に説明する必要があるのではないでしょうか。

政府は、普天間飛行場の移設先である辺野古地区がある沖縄県名護市を含めた北部振興策の補助金として、2000年~2009年で約1000億円を支出してきました。これは、普天間飛行場の移設を受け入れる用意のある地区への配慮であることは周知の事実です。

民主党政権はこうした経緯を無駄にし、余計な時間と税金をつぎ込むことになりそうです。こうした事態ひとつとっても、民主党政権には「増税」を推し進める資格はありません。

※1:12月7日付朝日新聞http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201112060627.html

※2:11月28日付時事通信http://www.jiji.com/jc/zc?k=201111/2011112800529