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2011/11/15【日本にはユーロ危機を救う力がある】

ユーロ危機の渦中にあるイタリアですが、11月13日に経済学者で元欧州委員のマリオ・モンティ氏が新首相に指名されました。

これを受けて、下落していたイタリア国債が買われ金利が下がりましたが、14日の欧州債券市場で再びイタリア国債が売られ金利が上昇しています(※:11月14日付朝日新聞http://www.asahi.com/business/update/1114/TKY201111140401.html)。

ギリシャの新政権発足と相まって、とりあえずは一息ついたかに見えたユーロ危機ですが、市場の動向を見る限り予断を許さない状況です。

これに先立つ12日、IMFのラガルド専務理事は、将来必要となった場合に「日本など主要出資国に頼ることができると考えている」と語り、日本の支援に対する期待を表明しました。

財務省や一部のマスコミからは、財政が危機的な状況であると喧伝される日本ですが、円高を背景に、ジャパンマネーの底力はこれまで以上に増しています。

実際、2010年末までの日本の対外純資産は251兆4950億円であり、日本は20年連続で「世界一の債権国」となっています。

国内だけを見れば、不況にあえいでいる日本ですが、国際的に見れば日本経済はまだまだ強いのです。

日本は過去、麻生政権時代に、世界がサブプライム・ローンによる危機に陥った際、IMFに10兆円の資金支援を行ったことがあります。

この支援は、金融危機を止めるために大きな役割を果たしたと各国首脳から感謝されました。

例えば、今回、危機に瀕しているギリシャのGDPは23兆円程度です。

これは、東京都のGDP約90兆円、大阪府のGDP約39兆円、愛知県のGDP約35兆円など、日本の府主要都府県のGDPを下回る数字です。

このことからも、日本経済の大きさが分かります。

日本は、IMFから支援について正式な要請があれば、迷わず受けるべきです。

日本には他国を救う力があるのです。

効果が限定的な為替介入に8兆円も使うよりも、ギリシャ支援に回した方がよほど国際的な信用を得ることができたはずです。

民主党政権は、内向きの政権運営に終始するのではなく、日本が国際舞台でリーダーシップを発揮する戦略を描くべきです。